飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

テーマ9目次 今週は「脂質」について書いています。
前回は「見えるあぶら、見えないあぶら」という話題で、現代人は見えないあぶらを多く摂取してしまっているので減らさないといけないと書きました。脂質は摂り過ぎている栄養素なのです。

でも、一言で脂質といってもいろいろあります。摂取を控えたほうがいい脂質もあれば、積極的に摂取した方がいい脂質もあるのです。今日は脂質の種類について簡単に説明しようと思います。

脂肪は炭素(C)、水素(H)、酸素(O)で出来た化合物です。
化学式なんて覚えなくていいですよ。イメージだけでいいです。

このように元素が鎖のようにつながってできていますが、そのつながり方の構造によって、「飽和脂肪酸」と、「不飽和脂肪酸」に分類されます。脂肪酸というのは脂質をつくっている主な成分です。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は、乳製品、肉などの動物性脂肪や、動物性以外にもココナッツ油、やし油など熱帯植物の油脂にも含まれています。
牛や豚や鶏など、肉類から摂る油は飽和脂肪酸と覚えておいて差し支えないでしょう。

身体に溜まる脂肪は飽和脂肪酸

飽和脂肪酸はエネルギー源として大事な役割をします。飽和脂肪酸は体内で合成ができる物質で、中性脂肪として蓄えられるのは主に飽和脂肪酸です。
身体に蓄えられた脂肪は筋肉などを動かすエネルギーとして使われますが、脂肪が蓄えられすぎた状態が肥満なのですから、ダイエットをする場合は、飽和脂肪酸の摂取量に気をつけなければいけません。

中性脂肪やコレステロールを増やします

また飽和脂肪酸は溶ける温度が高く常温では固体です。そのため身体の中で固まりやすく、しかも中性脂肪やコレステロールを増加させる作用があるため、血中に増えすぎると動脈硬化の原因になります。現代社会の食生活ではこの飽和脂肪酸を摂りすぎる傾向にあるのです。

飽和脂肪酸については次の記事で詳しくお話します。

 

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は、主に植物油や魚に多く含まれています。不飽和脂肪酸は人の体内では合成できないため、定期的に食事から摂取する必要があります。

健康に有効な不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸もエネルギーとしても使われますが、身体の構成成分となったり、血中の中性脂肪やコレステロールの量の調節を助ける働きがあります。また一部の多価不飽和脂肪酸には、脳神経の発達を助けるなど有効な働きもあります。

そして、不飽和脂肪酸は分子の結合の種類から、
「一価不飽和脂肪酸」 と 「多価不飽和脂肪酸」 に分類されます。

多価不飽和脂肪酸は身体で合成できないため、食べ物からとらなければならない必須脂肪酸です。結合の形から、n-3系不飽和脂肪酸(オメガ3)、n-6系不飽和脂肪酸(オメガ6)に分けられます。

酸化しやすい不飽和脂肪酸

主に肉類から摂取する飽和脂肪酸に比べ、魚や植物から摂る不飽和脂肪酸は健康によいイメージがありますが、酸化しやすいという弱点があります。その特徴は二重結合の数が多いほど顕著になります。一価より多価が酸化しやすい。n-3よりn-6が酸化しやすいということです。

酸化した脂質(過酸化脂質)は老化を促進したり、動脈硬化や肝臓病を進行させたり、さらに発がん性も疑われたりします。なるべく酸化しにくい油を使うとか、天ぷら油はマメに変えるなど酸化を意識した油の使い方をするようにしましょう。

 

脂肪酸の種類、分類

上記の文章の説明を図にすると下記のようになります。

図の中にある名前って、健康油のCMで聞いたことがあったり、スーパーの油売り場なので見かたことがあるかもしれませんね。

「オレイン酸を多く含んだオリーブオイルは身体に良い」 とか。
「魚に多いオメガ3のDHA、EPAはコレステロールを減らしてくれる」 とか。
「くるみに多いαリノレン酸は若返り効果がある」とか。聞いたことがある人も多いでしょう。

その種類によって特徴や効果が異なるのです。
不飽和脂肪酸については後半で詳しく書かせて頂きます。

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LDL(悪玉)とHDL(善玉)大事なのはバランス

脂質異常とは

脂質の摂取量を加減したり、種類を選ぶ必要がある一つの理由は、コレステロールや中性脂肪が増えすぎてしまったり、脂質異常にならないようにということがあります。

脂質異常になると、増えた脂質がどんどん血管の内側にたまって、動脈硬化になってしまいます。そして動脈硬化になると、心筋梗塞や脳梗塞の発作を起こしやすくなってしまうんですね。

脂質異常症には3つのタイプがあります。

  1. LDLコレステロール(悪玉)が多いタイプ
  2. HDLコレステロール(善玉)が低いタイプ
  3. 中性脂肪が多いタイプ

の3タイプです。

飽和脂肪酸の摂り過ぎはLDL(悪玉)を増やすと言われます。ですから摂り過ぎの人は控えないといけないのですが、でも、最近ではLDLコレステロール値が高いのはもちろん問題だけど、低すぎると寿命が短くなったり、ガンになりやすかったり、セロトニンの分泌が落ちてうつ状態になりやすいなどの報告もあります。

n-6系脂肪酸はLDL(悪玉)も減らすけど、HDL(善玉)も減らしてしまうので良くないと思われがちですが、n-6系不飽和脂肪酸には体内の生理活性物質の材料であるため長期欠乏が持続すると、健康被害どころか死に至ってしまうこともあります。n-6は必ず摂取しなくてはならない非常に重要な栄養素なんです。

そのように、どれも悪いこともあれば良いこともあるのですから、なにか良くないと聞いたからといって全くとらなくなってしまう、そのような極端なことはするべきではないのです。

大事なのはバランスなんです。

ということで、「脂質」と一言でいっても、いろんな種類、分類があるんですね。ちなみに、上記の分類は分子の結合の種類によるものですが、結合の長さ(炭素数)による分類もあって、「長鎖脂肪酸」、「中鎖脂肪酸」、「短鎖脂肪酸」 などにわけられます。

このテーマでは、結合の種類の分類にそって、「飽和脂肪酸のこと」、「不飽和脂肪酸のこと」について話しを進めていきます。

例えば、家庭で使う調理油の選び方や、肉や魚の選び方とか、加工食品の油の量の話とか、減らし方とか、そういう話をしていく予定です。

 

 

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