飽和脂肪酸を摂り過ぎると

テーマ9目次今週は 「脂質」 についての話題です。
前回は脂質の種類の話をしました。まずは、肉からとれる「飽和脂肪酸」、そして植物油や魚から採れる「不飽和脂肪酸」に分けられます。

健康のためには肉類からの脂質の摂取を減らして魚を増やすほうがいいといわれますよね。その通りです。でもね大事なことは「バランス」です。良くないと聞いたから全く食べなくしてしまって、特定のものからばかりとるのではなく、脂質だって色んな種類をとることが大事なのです。まずはそのことをご理解いただいた上で..

この記事では肉類からとる脂質、「飽和脂肪酸」を減らそうという話をします。

飽和脂肪酸は、主に牛や豚や鶏などの肉類の脂や、乳製品、バター、豚の脂身であるラードなどに多く含まれていますね。

 

飽和脂肪酸の多い食品に肥満税

まずはこんな話題からします。2011年10月のニュースですが、デンマークで世界で初めて 飽和脂肪酸の多い食品に課税をする、「肥満税」が施行されたという話題です。生活習慣病の増加に対策し国民の健康寿命を延ばすための施策だったわけですが..

実はこの法律、食品の値上がり、物価上昇、雇用減少などの問題が発生して翌年には廃止になってしまったんですけどね。肉や乳製品を隣国で買い溜めることが日常化してしまい特に国境付近の都市の経済に大きなダメージを与えたとか。

見方によってはそれだけ飽和脂肪酸の依存性の高さが浮き彫りになったということです。制度としては不備があったものの、飽和脂肪酸の摂り過ぎを国策として防止しないといけないほど、摂り過ぎは健康によくないということなのです。

では、飽和脂肪酸を摂り過ぎるとどのような問題があるのでしょう。

 

飽和脂肪酸の摂り過ぎの問題

肥満

タンパク質や糖質のエネルギーは1グラム当たり4kcalですが、脂質は倍以上の9kcalです。ですから当然脂肪分の多い食事はカロリーが高いのです。

摂取カロリーが高いと体内で使い切れなかったエネルギーが中性脂肪として蓄えられるのです。また飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸よりも太りやすいですから、摂り過ぎは肥満に直結します。

高コレステロール

飽和脂肪酸の摂取が過剰になると、肝臓でコレステロールの合成を促進するので血中コレステロール値が上がります。LDLを増やしてしまうのです。

飽和脂肪酸は常温で固形ですが、動物などは人間よりも体温が高いです。ですから動物の脂は人間の身体の中でも固まりやすく血液中のLDL(悪玉)コレステロールが多くなると、動脈の壁にくっついて固まり、動脈が厚く硬くなってしまうのです。
そのために、飽和脂肪酸を摂り過ぎると、動脈硬化や高脂血症を引き起こして、心筋梗塞や脳梗塞や脳卒中などの原因となるのです。

高血圧

塩分を摂り過ぎると高血圧になることはよく知られています。これは塩をとり過ぎて血中のナトリウム濃度が上がるとそれを薄めるために血液中の水分が増えるからです。つまり血液の量が増えて圧力が高くなるのです。

それに対して、脂肪の摂り過ぎは血管に対して悪影響を与えます。コレステロールの沈着などで血管が狭くなったり、老化をして硬くなったり、血栓ができて流れにくい箇所ができたりするのですが、そうなると当然血管内の圧力(血圧)は上がってしまうのです。

老化

飽和脂肪酸の摂り過ぎということは肉類を多く食べるということですが、肉を食べるとパワーが出ると言われる人がいますが、それは科学的な根拠はないようですよ。
でも、動物性タンパク質を多く摂ると人間の成長が早くなるということはあります。最近の子供たちの成長が早いのは、動物性タンパク質の摂取量が増えたためと考えられています。

しかし、「成長が早い」ということは、ある時点からは「老化が早い」ということに変わるんですよね。アンチエイジング、老化防止が気になるならば肉類は控えめにするのがいいでしょう。

 

飽和脂肪酸の摂取量の目安

では、飽和脂肪酸の摂取の目安はどのくらいがいいのかというと、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、18歳以上の男女で、1日の摂取カロリーの、4.5%以上、7%未満という目安があります。

1日に1600kcalの食事をするなら、×7%=112kcalが飽和脂肪酸の目安です。
重さにすると、÷9kcal/g=12グラム以下です。

1日に1200kcalの食事なら、84kcal 9.3グラム以下が目安です。

ちなみに、目安の下限が設けられているのは、飽和脂肪酸の摂取量が少なくなりすぎると脳出血が増えるという報告があるからです。肉は良くないと思いすぎて全くゼロにするのはよくないことなんですね。(ベジタリアンの人はちゃんと植物からとれる飽和脂肪酸を摂取することを意識されているんですよ)

目安量として1日に10グラム前後ということを頭に入れていただいて、主な食品の飽和脂肪酸の含有量を見てみましょうか

主な食品の飽和脂肪酸の量

(食品100gあたりの含有量です)

  • 生クリーム 27.6g
  • 鶏肉の皮 16.3g
  • 牛サーロイン 16.3g
  • プロセスチーズ 16g
  • ベーコン 14.8g
  • 牛ばら肉 13g
  • ウィンナー 10.1g
  • たまご(卵黄) 9.2g
  • ラクトアイス 9.1g
  • 豚ロース 7.84g

わりとよく見かける食品ではこのようなものに多く含まれますが、肉類と乳製品はなにを食べても多めです。それとバターやラードやショートニングなど動物性の脂を多く使った料理は飽和脂肪酸が多くなります。

とり過ぎには気をつけましょうね。

 

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